債権の管理

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信用調査会社の「大型倒産情報」を見る。
過去にお世話になっていたお客様の倒産記事が掲載されている。
運良く、焦げ付き債権がないことにホッと胸を撫で下ろす。
今日、焦げ付いた債権が無かったことは、単に「運」が良かっただけかもしれない。
明日は債権が焦げ付くかもしれない。こんな緊張感をもう何年も持ち続けて経営している。

小さな取引の都度、お客様の与信状態を信用調査会社に確認することは出来ないから、巷の情報を収集して焦げ付きが生じないように注意を払っている。
僅かな売掛金の支払いが期日通りに支払われなかったら、そういう買掛管理ができていない杜撰な企業とは、取引を膨らませてはいけない。
小さな約束事をキチンと履行するから信用度が高まるので、小さな約束を守らないところは、大きな約束事も軽んじるに決まっている。
こちらが約束を正しく履行したのに、相手が約束を守らなかったら、信用を拡大してはならない。

当社の仕入先も、当社のことを同じように見ているはずだから、小さな約束を軽んじないようにする。


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悪いときは穏やかに

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人によって違いはあるでしょうが、私の場合は、会社の状況が悪いときには穏やかで、会社の状況が良いときは苛立ちが高まるように思います。
なぜそのようになるのかと言えば、悪いときは冷静に打開策を練り、先々を展望して事業の建て直しを図りますから、悪いときに心を乱していたら、冷静な判断ができません。
これは趣味で深山単独行を長年やって来た中で、数度の迷走パニックで学んだ経験則です。

会社の状況が良いときは、順調に事業拡大を図りたいのですが、好調期は組織内の危機意識が希薄になりますから、イザのときの準備が足りずにハラハラするので苛立ちが高まるようです。
好調に浮かれず、どんなときも危機感を持って、キリッとした組織でありたいのです。

巷には不景気風が吹いて大変な時期ですが、運良く現在は順調なので、逆に相当に苛立った毎日です。
社内で起こる些細な問題が、先々で大きな弊害になることが予測されて、危機感が募って苛立ちます。
普通なら、好調のときに浮かれ、不調なとき落ち込むのですが、私の場合は逆です。
これは長い経営の経験が培った習慣ですから今更治りそうにありません。


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仕事を満喫する

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月末日には当月の事業活動の結果報告と、次月の活動計画を検討する会議をやります。
人のやること、お客様あっての仕事、変化ある市場相手の事業ですから、事前に企てた計画が寸分違わず実行できることなどありません。

対計画の±10%は許容範囲という見方で事業を進めていますが、中には計画と大きく乖離した結果の事業も出てきます。
それでも、すでに出てしまった結果をとやかく言っても始まらないので、当社の場合は、次月の活動計画とか策略に重点を置いて会議が行われます。

前月の計画未達分を、どのような活動計画とか策略で次月に挽回するのか、その計画の具体性とか効果を事前に十分に検討して、確実性がある次月の活動計画に絞り込みます。

目標数字に届かなかった管理者は、会議の場で肩を落としていますが、出た結果について文句や叱責を飛ばすことはありません。
むしろ、自らの仕事に惰性で取り組んでいたり、意欲を持って取り組んでいない場合には、烈火の如く叱ります。

自分の仕事を満喫して欲しいのです。 仕事を楽しんで欲しいのです。
仕事を楽しむとは、仕掛けを作って魚を取る様子に似ていて、「こんなやり方で提案したら、きっとお客様は○○のような反応をするはずだ」とイメージして、実行して、結果を楽しむことだと思います。
立てた仕掛けが空振りに終わったら、「くそー、次はこの手で行こう」。
再び失敗したら「ん〜ん、悔しい。次はあの手だ」と、獲物がイメージ通りに取れるまで、懲りずに工夫を凝らす姿こそ、仕事を楽しむということです。


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損なわれる利益

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新規に開拓した顧客から、具体的な案件が提示されて、仕様に従って見積書を提出しました。
当社以外にも同業社が数社あり、競争見積になると聞かされて、出来る限りの低価格を提示しましたところ、窓口のご担当者様から「貴社が一番の安値でしたよ」と告げられ、努力の甲斐があったと職場で大喜びしました。

ところが予定した期日に注文書が来ないので、お客様に問い合わせたところ、「貴社が一番安いのですが、貴社は外され、上司が他社の見積を選択して社長に稟議書を上げたので・・・」と知らされました。
競争見積ならば一番の安値を提示した業者が受注するはずで、納得は出来ませんが、お客様の決定ですから仕方ありません。

どんなに努力しても、お客様の社内で動く政治力まで介在することは出来ません。
しかし、客先の社長様はきっとこの歪んだ事実関係を知らないはずです。
正しい仕事をした窓口担当者様から社長に稟議が上がるまでの間で、正しい仕事が管理者によって歪められ、過分に支払わなくて良かったはずの費用まで支払うことになります。
会社の利益が損なわれる出来事が、平然と行われていることを社長は知りません。
こういう会社が少なくないのです。


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吾が知る

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自動販売機のつり銭口に、取り忘れた硬貨が残っていたら「ラッキー」と思って、その小銭をポケットに入れて平気でいるような人間で居て欲しくない。
出先で車の隅を軽く擦られて、怪我も無いのに事故扱いにして病院に行き、診断書をもらって休業補償金を請求するような、姑息な考え方に恥ずかしさを感じないような、そういう人間であって欲しくない。

仮に真実が誰の目に触れることなく、自分しか知らないことでも、真実を曲げたことを自身だけは知っている。
人目がなくても、曲がったことを正す心を持って欲しいのです。
誰の目に映っていないことでも、その事実は「天が知る、地が知る、吾が知る」のです。

聖人で居ろとは言いませんが、自らの卑しい行為を自分で省みることができる人・親であって欲しいのです。
正しい心根といいますか、そういう正しい考え方を掲げて活動する会社でありたいと思います。
ですから、歪んだ心根の人は当社の組織には居ることができないので、歪んだ心根に共鳴できる人が集まる会社を自分で探してもらわないといけません。
「キレイ事じゃ腹は満たされない」と言って去った人も沢山いますが、これは経営の基本になる考えなので、どんなに反発があっても変えることはできません。

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考えろ

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「昨日、今日、学校を卒業して企業人になったわけじゃあるまいし、少しは考えろ!」
と言葉荒く説教することがあります。

説教した後で考えます。
「考えろ!」と言っても、何をどのように考えたらいいのかが、分からないのかもしれない。

そこで、指定時刻までに施工が完了出来ずに問題を起こした技術者と、失注の結末になった営業マンに、それぞれの仕事に取り組む前に企てた、仕事の作戦とか手順について尋ねてみた。
「指定時刻までに完了させる必要がある」、「受注を獲得する」と、それぞれの目的意識はちゃんと持っているのですが、目標を達成するための手順とか作戦が曖昧で、ただ「頑張る」という意気込みだけです。

やっぱり「考えろ!」と叱咤しても、「考える」ことの意味が分かっていなかったのです。
どんなスポーツの試合でも、戦い方とか作戦があるように、個々の仕事でも作戦とか手順があります。
成功を勝ち取るための手順とか作戦を具体的に練らせる習慣を教えなくては、戦いに勝てるはずがありません。
ビジネスに無手勝流とか偶然など有りはしません。


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見えない先を読む

「今になってジタバタしたって後の祭りだ」と自身を戒めるようにしています。

会社の中で起こる問題は偶然ではなく、すべてが必然の結果ですから、前もって段取りが悪ければ、後々の結果は悪いに決まっています。

不況で受注が減ってしまった今になって悩んでも後の祭りです。
「どうしてこの不況を事前に察知して、前もって代替受注先を獲得する動きをしておかなかったのか」と自分の勉強不足、自分の力不足、経営者としての先見力や精進不足を省みるしかありません。

今、3ヶ月先の様子を厳しく予想して、そのときに向けて万全な準備や種まきを必死でやっていたなら、3ヵ月後の自分はきっと悩んでいません。
1年後の様子を厳しく類推予想して、最悪の事態に向けて、今から段取りを万全にしているなら、きっと1年後は最悪に事態を避けて、無事に続いているのではないかと思います。

見えない先々を見て善後策を講じることは難しく、精神的にも辛い仕事ですが、それが経営者本来の仕事だと思います。



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理論より汗

創業間もない会社の社長が、計画通りに注文が取れず、資金繰りに行き詰って苦労している。
そんな状況を知ってはいたが、その話題には触れずに世間話を応じていたが、その経営者の口を突いて出て来る言葉は「経営戦略」とか「商売の仕組み」だとか、経営理論の話しばかりだ。

そんな理屈は創業間もない会社には不要だ。
社員の10倍の汗を流し、睡眠以外の時間のすべてを仕事に投じる日々の積み重ねなくして、経営なんぞは存在しない。
「理屈はいいから汗をかけ」と言ってやりたいが、その一言は私の理屈だし、経営は結果がすべてだから言いたい一言を出すのは止めにした。

有名なコンサルタントのメールマガジンが毎日届く。
「経営者にとって最も生産的な時間は社長室の中で考える時間だ」と説いている。
分りやすいアドバイスだが、零細企業の社長が社長室に籠もっていたら会社は機能しない。
このコンサルタントの一言は、年商20億とか30億の中堅企業の社長のことを言っていると理解した。

自分の生計をまともに築けない人が家族を泣かせておいて、偉そうに社会情勢や格差是正を語る。
人様や社会の矛盾や問題点を語る前に、自分の立ち位置をしっかり理解して、やるべきことをやってから外に目を向けないといけない。
他人の様子を見て自分も襟を正してみようと思う。


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ヤル気ねえだろう

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行き詰まって相談に来たので、他人事ながらも真剣に、本気になって考えて、あれやこれや打開策を提案した。
事業に取り組む姿勢にも問題を感じたから、この時期、不眠不休の決意で事業の建て直しに取り組むように助言した。
「いいアイデアを貰った」「勇気が湧いた」「早速、明日から取り組んでみる」と元気な言葉を発して帰って行ったので、「少しは役立ったようで良かった」と安心した。

あれから3週間、心配になって電話をしたら、前と少しも変わっていない。
「何とかしなくちゃ行き詰まるが、何をどうしたらいいか分からなくて、8月まで待たないと景気は戻らないと思うし、・・・」
そこまでの話を聞いて電話を一方的に切ってしまった。

無策で時間を流せば会社が行き詰まるので、心を鬼にして人員整理を掛けろと助言したが、何もやっていない。
新規客開拓のために一日50件のテレアポをやれと助言したが、それもやっていない。
脈がある顧客は会社のホームページを見るから、こことここを修正して会社のイメージを上げろと助言したが、ホームページに手を加えられた形跡はない。

事業に行き詰まって、何とか会社を浮揚させたいと思うのは、どこの経営者だって同じだ。
天を仰いで合掌し、祈りを込めて「注文をください」と神頼みしたって、注文は天から降っては来ない。
どんなに良いアドバイスや方策があっても実行が無ければ意味はないなあ。

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ビジネスの道

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長いビジネス人生が障害物競走とは言わないが、学校を卒業して、挫折や苦労の一つも経験しないで、組織の上層部まで上り詰めることなどありえません。
折々の障害を苦労しながら乗り越えた人が、大きな仕事や重責を担い、組織の上に立って活躍します。

低い障害を乗り越えて苦難を越える術を身に付け、徐々に高い壁を越える試練に挑むことの繰り返しです。
高い壁に跳ね返されて挫折しても、懲りずに乗り越える挑戦を繰り返す人。
高い壁に跳ね返されて挫折して、自分が歩いてきた道に疑問を感じて、壁を越える挑戦を諦め、道を替える人。

道を替えたところで、替えた道の先にも同じように壁があることを忘れている。
替えた道の先にある壁が低いうちはいいが、再び同じように高い壁に遭遇するときが必ず来る。
そのときに、歩いてきた道に再び疑問を感じて壁を越える挑戦を諦め、道を替えるのだろうか。
挫折のたびに歩みを止めて「道が違ったかも?」と悩み、道を替えていたのではビジネス力は備わらない。

間違った道を歩いて来たわけじゃない。 苦難から逃げるクセが人生の道を迷わせただけだ。
ここに気付かない限り、逃げクセがついた人に、真の強さは備わらない。

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時間厳守

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「ご無沙汰しているのでご挨拶に伺いたい」とアポを打診されたので、時間を調整して木曜日にご来社頂く約束をしました。
ところが前日になって「ちょっと予定が変わったので、翌金曜日に調整願いたい」と連絡があり、仕方なく相手の都合に合わせて、当日の指定時刻にご来社をお待ちしていたら15分も遅刻して来られた。
遠方からお運び頂くなら、交通の都合で多少の時間遅れもあるでしょうが、ご来社頂く方は当社まで歩いて来る距離です。

建前上では穏便な応対をしましたが、腹の内では不愉快極まりなく、「申し訳ないが、次の予定が押しているので、今日は要件だけ手短にお願いします」と切り出した。
当社の決算が済んで、次年度の投資計画を確認に来られたことは推察できていたが、商談は短い時間に押し込んで、主要な話しにも触れずに会談を終えました。

商談は友達との茶飲み話じゃありません。
些細な話題でも全てが商談であり、利害とか資金が絡む真剣勝負です。
時間に遅れてくるとは、真剣勝負の場を軽んじているとしか思えません。
真剣味とか緊張が無さ過ぎて話になりません。 
当然に取引の前向きな話など頼むはずもありません。

きっと、その方は私のこの記事すら見ることもないでしょう。
何故なら、それほど当社に関心も寄せていませんし、真剣な仕事をしない人だからです。
約束の時間に遅れることは、これほどまでに相手の信用を失う行為です。

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創業塾

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地場の産業振興機関からの依頼を受けて、創業者対象のセミナー講師として登壇する機会がありました。
産業振興機関の側は地域活性や産業振興の観点からして、起業を歓迎したいのでしょうが、現役で企業経営を担っている私の基本的な考えは「起業なんか辞めておけ」というのが本音です。

起業が失敗する確率は9割を越え、起業の先にある世界が地獄だという事実を知っているから言うのです。
しかし、起業を志す塾生の方を前に、あるいは機関の意向を無視して「起業なんか辞めておけ」と切り出したのでは、講演自体が無意味になりますから、少しトーンを落として企業経営の厳しさをお伝えしました。

起業を志し、将来の成功を夢見て独立するのでしょうが、正直なところ、「この場に居る塾生の全員が、起業したら5年後には街金融の怖い人から追い回されて、家族は離散して、社会の表を歩けない人生になりますよ」と言いたかったのですが、そこまで厳しい本音話はできませんでした。

塾生のある方が質問されました。
「創業3年間を乗り越えるのが難しいと聞くが、どんなことに注意すれば3年を乗り切れるでしょうか?」
創業3年間で消滅する企業は確かに多いのですが、創業3年間に消えて無くなる経営など、そもそも経営者としての資質が足りなかった訳で、3年から先、企業が規模を拡大するときが本当に大変なのです。
場に居合わせた塾生の方々は「自分は3年間を乗り切れない側だ」と思って、経営を勉強しなくてはいけないのです。

特に技術系上がりの優秀な技術者が志す起業には危険性を感じます。
技術が優秀なら商売が成り立つと勘違いします。
技術や商品は企業経営の一部でしかありません。自分の技術を過信すると足元を掬われるのが怖いですね。
技術屋上がりの私だから分かることです。

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鏡に映ったホームレス

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毎朝6時に会社の駐車場に車を入れます。
ダンボールをリヤカーに積んで運ぶ人、アルミ缶を拾って袋に詰めながら夜明けの街を歩く人に会います。
伸びきった髪やヒゲ、破けた服と靴を履き、すれ違うと吐き気がするほど強烈な体臭。

私は彼らをじーっと見つめます。
私の視線を感じてホームレスの彼が振り返ると、その人の顔が私の顔なのです。

思わず目をパチパチとやって、目を細め、今一度彼を見ますが、何回見ても私に違いありません。
顔だけじゃなく、背格好も間違いなく私です。

「明日、俺がダンボールや缶を拾っているかもしれない」
その光景を瞬きすることなく、目に焼き付けようとする習慣が身に付いてしまいました。

毎朝、身支度を整えるとき、姿見の鏡に映る自分の姿がホームレスにならないように、今日も一日一生の思いで仕事に打ち込もうと気を引き締めます。


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目標意識

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部門長から報告があり「A君はどうすればいいかを語り、B君は出来ない理由を語る」と人育てに苦悩している部門長の心情が計れました。
些細な内容でも、実に大切な着眼点で、このまま放っておけば確実にA君とB君に差が出ます。
A君とB君は、同じ部門目標に向かって活動しているのに、目標に取り組む姿勢に違いがあります。
A君は目標を達成することだけに神経を集中して、手順を練り活動していますから、よい方策が見つかれば早晩結果は必ず出ることになりそうです。
一方B君は、目標を達成することに意識が向いていなくて、日々頑張るだけに精力を注いでいるようです。

その違いは、バッターが目を瞑って力任せにバットを振るB君と、ピッチャーが投げた球を瞬きもしないで見ながらバットを振りぬく瞬間を狙う姿のA君と言った具合です。
頑張った末に出た結果が部門の目標と違っていては、何のための頑張りだったか分かりません。
目標意識を持って活動することを忘れてはいけません。


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親の躾け

社員の質を高めて企業全体の力をレベルアップしようと社員教育を行う。
ところが、親の子育てを越える社員教育はなかなか巧くできない。

営業の進め方、技術的な教育、職場の問題発見や改善手順、原価に対する意識、損益の仕組み・・・、教育によって人は能力を無限に伸ばすことができる。
しかし、親が子供を社会に出すまでに育てた躾というものが歪んでいると、企業で修正することは難しい。

例えば、買い物に行って2000円の買い物をし、5000円支払ったら釣銭は3000円だが、店のレジ係の人が5000円札を1万円札と間違えて、釣銭を8000円渡して来たとき、気付いていながら黙っていて「儲けた!」と親が言ったら、子供は必ず将来同じような考え方をする大人になる。

こういう考え方で躾けられた人が企業で仕事をすると、力ある上司にヘツライ、仲間の功を妬み、責任転嫁する人になる。
労せずして得することに聡い人になる。

心が歪んだ躾けをしてしまったら、社会に出てから苦労をするのは子供自身だ。
子供の将来を深く夢見て、あるべき姿に向けた躾けを心がけるのは親の務めだ。


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